10億ダウンロード突破 ポケモン GOは世界をどう変えたのか?:日経ビジネス電子版

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10億ダウンロード突破 ポケモン GOは世界をどう変えたのか?:日経ビジネス電子版

米ナイアンティック副社長の川島優志氏に聞く(1)

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上岡 隆

日経トップリーダー編集部 副編集長

 グローバルで累計10億ダウンロードを突破した人気ゲームの「ポケモン GO」で世界規模の社会現象を巻き起こし、任天堂とのピクミンをテーマにした新作も発表。開発・運営を手がける米ナイアンティックは、どんな発想で作品を生み出し、世界中の人々を動かし続けているのか。

 同社副社長、川島優志氏が激動の半生を振り返りながら、「ナイアンティック」や「ポケモン GO」、「イングレス」の舞台裏を語った『世界を変える寄り道 ポケモンGO、ナイアンティックの知られざる物語』が10月に発刊された。

 本書の著者の川島氏に、「ポケモン GO」を通してナイアンティックが目指している世界の話や、「ポケモン GO」が世界中の人々に受け入れられた理由などを聞いた。

(聞き手は日経トップリーダー編集 上岡 隆)

「ポケモン GO」ほど、世界規模で社会現象になったゲームは記憶にありません。子供から大人まで、サービス開始から5年たった今でも、スマートフォンを片手にポケモンをゲットする姿があちこちで見られます。川島さんは、「ポケモン GO」がここまでヒットした理由は何だと思いますか?

川島優志氏(以下川島氏):まず、ポケモンそのものの魅力がとても大きいと思います。「ポケットモンスター 赤・緑」が発売されたのは1996年。今、ポケモンは25周年を迎えています。「ポケモン GO」が生まれるきっかけを作り、そしてゲームディレクターとして開発に携わった野村達雄も、ポケモンで育った世代なんですよね。

 そういうふうに、子供時代にポケモンを楽しんだ世代が大きくなって、その間ずっと、ポケモンを記憶し続けていたり、身近に感じ続けていたりするという、「ポケモンを愛する人」が世界中にいることが、「ポケモン GO」が受け入れられた大きな要因の1つだと思います。

<span class="fontBold">川島優志(かわしま・まさし)氏</span><br>米Niantic, Inc.副社長。早稲田大学中退後、2000年に渡米。ロサンゼルスでの起業、デザインプロダクション勤務を経て、2007年Google入社。アジア太平洋のウェブデザインチームを統括し、日本人としては世界で初めて「Doodle」(Googleのトップページロゴ)をデザインする。2015年にNiantic, Inc.(ナイアンティック社)の設立と同時に、アジア統括本部長に就任。2019年副社長に。「イングレス」のビジュアルおよびUXデザインを担当したほか、「ポケモン GO」では開発プロジェクトの立ち上げを担当。

川島優志(かわしま・まさし)氏
米Niantic, Inc.副社長。早稲田大学中退後、2000年に渡米。ロサンゼルスでの起業、デザインプロダクション勤務を経て、2007年Google入社。アジア太平洋のウェブデザインチームを統括し、日本人としては世界で初めて「Doodle」(Googleのトップページロゴ)をデザインする。2015年にNiantic, Inc.(ナイアンティック社)の設立と同時に、アジア統括本部長に就任。2019年副社長に。「イングレス」のビジュアルおよびUXデザインを担当したほか、「ポケモン GO」では開発プロジェクトの立ち上げを担当。

 また、ポケモンそのものが、実は世界とすごくつながっていることも挙げられます。本の中でも書きましたが、ポケモンはファンタジーでありながらも「身近にいるもの」という感覚を大事にしています。

 例えば、ピカチュウは電気のネズミで、ポッポだったらハトで、コイルはネジや磁石がモチーフで、というように、とにかくどこかで見たことのある現実とリンクさせています。最初のポケモンでは、「マサラタウン」から旅に出て「カントー地方」をぐるっと一周、三浦半島の沖合あたりにグレンじまがあります。

 ポケモンは、自分の身の回りのもの、身の回りに生きているものをモチーフにしているので、すごく現実世界とつながりが深いんですね。そういうこともあって、株式会社ポケモンの石原(恒和)さんや、「ポケットモンスター」シリーズのゲームミュージックの作曲者として知られる増田(順一)さんなどは、「ポケモン GO」の企画の段階からナイアンティックの考えている世界を理解してくださっていました。きっと僕たちと同じく、「これは現実世界にポケモンが現れる、というポケモンを愛する人たちの夢がかなう」と直感されていたと思うのです。

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