フォートナイト、あつ森…「巣ごもり」で潤ったゲーム業界、今後のトレンドは? | Business Insider Japan

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フォートナイト、あつ森…「巣ごもり」で潤ったゲーム業界、今後のトレンドは? | Business Insider Japan

(写真はイメージです)

GettyImages/ Miguel Sanz

  • この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「アメリカのゲーム・エコシステム 2021(The US Gaming Ecosystem 2021)」のプレビュー版。

コロナ禍でスポーツイベントが軒並み中止となり、実店舗が休業していた期間、消費者に楽しみを提供したのが『フォートナイト』や『あつまれ どうぶつの森』などのデジタルゲームだった。人々はゲーム上でオンライン・コミュニケーションのスキルを磨き、仮想空間で街や島の開発・整備に没頭した。

長い間巣ごもりを強いられた消費者に、娯楽や友人とのつながりを維持する手段を提供したゲーム業界。2020年にゲームの使用率やゲーム動画コンテンツの視聴率が急増したのは当然と言える。

この傾向は2021年も続くのか。少なくとも市場の一部は失速するとインサイダー・インテリジェンスは予測する。

ゲーミングデバイスのユーザー層とトレンド

ゲーマー人口の推移

アメリカにおけるデジタルゲーマー人口(デバイスやプラットフォームを問わず、ネットに接続されたゲームを月に1回以上プレイする人の数)の推移と予測。赤線は成長率、青線は全人口に占める割合。

Business Insider Intelligence

2020年にはゲーマーたちが家で過ごす時間が増え、ニンテンドー、プレイステーション、Xboxなどのゲーム専用機の利用が拡大した。コンソールゲームの月間ユーザー数は、他のどのゲーミングデバイスよりも大きく伸長し、2019年から6.3%増加した。

だが今後、通勤や通学、対面でのイベントが再開するにつれて、専用機の成長は頭打ちになるだろう。いまやゲーマー層は、週に20時間以上をゲームに捧げるハードコアなファンを超えて厚みを増しており、遊び方も多様化している。

数あるゲーミングデバイスのなかでも圧倒的人気を誇るのがスマホだ。月に1回以上プレイする月間モバイルゲーマー数は、2021年にはアメリカで1億5000万人を超え、デジタルゲーマーの89%以上を占めると予想されている。スマホは「いつでも、どこでも遊べる」という利便性において、パソコンやゲーム専用機などのデバイスを凌駕する。

手軽なモバイルデバイスと、ゲーム専用機の中間に位置するのが、デスクトップ型やノート型のパソコンだ。アメリカでデスクトップ/ノートパソコンでの月間ゲーマー数は2021年に9800万人を超える見込みだ。2020年に比べて若干減少しているものの、デジタルゲームユーザーの半数以上に相当する。

しかし、インサイダー・インテリジェンスの予想では、パンデミックの収束とともに、パソコンを使うゲーマーの数は減少する。カジュアルなゲーマーはモバイルにシフトし、本格派は専用機を使い続けると思われるからだ。

アメリカにおけるゲームのトレンドと統計

一昔前はゲーマーといえば「テクノロジーに強い若い男性」というイメージがあったが、いまや多様化が進んでいる。前述のように、2020年にはモバイルゲームの人気が急上昇した。モバイルやクラウドのゲームプラットフォームで提供されているソーシャル機能や多様なオプションは、幅広いユーザーを惹きつけている。

例えばNintendo Switch用ゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』は、3月に発売されてから6週間で日本、ヨーロッパ、アメリカで1300万本以上が売れた

一方で、Xboxやパソコンなどでプレイする一人称視点の対戦ゲームのユーザーは、依然として若い男性が多い。週に20時間以上ゲーム専用機でプレイする「ハードコア」なゲーマーの属性を調査会社YouGovが2020年に調査したところ、18歳以上の回答者のうち77%が男性で、23%が女性だった。また、ハードコア・ゲーマーの65%が18〜45歳であることが分かった。

アメリカの月間ゲーマー数は2021年には1億7770万人に達する。これはつまり、全人口の半数以上がデジタルゲーマーだということになる。ゲーム人口の拡大に伴い、増えているのがゲーム動画の視聴者だ。

ゲーム動画コンテンツの視聴トレンド

Twitch視聴者

アメリカにおけるTwich視聴者の推移と予測。赤線は成長率、青線は「デジタル動画視聴者」に占める割合。

Business Insider Intelligence

2020年は「人と交流すること」への渇望が高まったことで、ゲームインフルエンサーや他の視聴者とやり取りができるゲーム実況配信サービスの需要が拡大した。2023年までに400万人以上の月間視聴者を獲得すると見込まれているゲーム動画コンテンツの分野で世界をリードするのがTwitchだ。2020年の第4四半期には、ゲーム動画視聴時間の65.8%をTwitchが占めており、23.3%のYouTube Gamingや、10.9%のFacebook Gamingと比べ群を抜いている。

eスポーツ視聴トレンド

ゲーム動画コンテンツのサブセットであるeスポーツ。インサイダー・インテリジェンスはeスポーツを「プロのプレーヤーやチームによる組織的なゲーム競技」と定義している。パンデミックの影響でスポーツイベントが何ヶ月間も延期されるなか、eスポーツはオンラインでトーナメントを継続し、メディアや視聴者の関心を集めた。

2021年にはアメリカのeスポーツの月間視聴者数は2600万人を超え、ゲーム動画コンテンツ視聴者の47%以上を占める。

2021年のゲーム業界予測

月間デジタルゲーマー数の大幅な増加により、ゲーム業界は順調に収益を伸ばしてきた。2020年に消費者がゲーム関連のソフトやサービスに費やした金額は、440億ドルにものぼった。だが、この成長は長くは続かず、2021年の月間デジタルゲーマー数の伸びは1.1%にとどまると見られる。

人口の半数以上がすでに月に一度はゲームをしているアメリカでは、これ以上ゲーマーが増える余地は限られている。また、ゲーム業界がコロナ下で獲得したユーザーの多くは、対面で人と接する機会が増えるにつれ、ゲームへの興味を失ってしまうかもしれない。

2021年も引き続き重要となるゲームの要素のひとつは、バーチャル空間で人と交流できる機能だろう。パンデミック下ではゲームにおける「ソーシャルの要素」があらゆるデバイスで重要性を増し、特にモバイルではそれが顕著になった。

パンデミックの収束とともに、ゲームを通じて人とつながることへの関心は薄れていく可能性もある。だが、インサイダー・インテリジェンスは、2021年以降も引き続き「ソーシャルの要素」がゲームのエコシステムに幅広いユーザーを引きつけると予想している。

詳しくは、調査レポート「アメリカのゲーム・エコシステム 2021」へ

レポート

パンデミックの影響でゲーム業界が急成長し、ゲームの未来を読むことの複雑性と重要性が増している。インサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「アメリカのゲーム・エコシステム 2021」では、コンソール、デスクトップ/ラップトップ、タブレット、モバイルなど、デバイスごとの予測と、eスポーツやその他のゲーム動画コンテンツの視聴率を分析する。

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[原文:US Video Gaming Industry in 2021: Gaming Devices & Gaming Video Content Viewership Trends]

(翻訳・野澤朋代)