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木曜日, 11月 26, 2020

「東京eスポーツフェスタ」、小学生たちが白熱の勝負を展開、中学生プロゲーマーも新たに誕生! –

 東京都や日本eスポーツ連合(JeSU)などが参加した、東京eスポーツフェスタ実行委員会の主催によるeスポーツイベント、「東京eスポーツフェスタ」の開催2日目となった1月12日は、「モンスターストライク」、「パズル&ドラゴンズ」、「太鼓の達人 NntendoSwitchば~じょん!」の3タイトルで決勝大会が行なわれ、各タイトルのチャンピオンが決定した。

 「モンスターストライク」は、2日目開催の予選グループを1位で通過し、勢いに乗ったSonrisaチームが、記念すべき「東京eスポーツフェスタ」の初代王者の座に。「パズドラチャレンジカップ2020」は、中学2年生の海斗★選手が並み居る大人たちを次々に負かして衝撃の優勝を飾った。そして、18名を3ブロックに分けて行った「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦!」では、各ブロックで優勝した、なーつつ、ようた、ぶんちゃんの3選手が「ドンカツ王」となり、3月にハワイで開催されるエキシビジョンマッチの参加権を獲得した。

 また、全競技終了後には、初日に開催された「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!」トーナメント優勝者のたっつん!選手と、Sonrisaチーム、海斗★選手に、それぞれ東京都知事杯と記念品が授与された。

初日に引き続き、メインステージのMCは内田敦子アナウンサー(左)と、霜降り明星のせいやさん、粗品さんが担当した

【各タイトルの優勝者】

「モンスターストライク」大会を制したSonrisaチーム(リオン、うなにゃ?、やみえるぅ、りんねの4選手)

「パズドラチャレンジカップ2020」は、中学2年生の海斗★選手が制した

「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦!」の各ブロック優勝者。左から順に、ぶんちゃん、ようた、なーつつの3選手

【表彰式:東京都知事杯の授与】

初日開催の「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!」トーナメント戦の優勝者、たっつん!選手(左)。プレゼンターは多羅尾光睦東京都副知事

東京都知事杯と、記念のメダルを受け取るSonrisaチームの皆さん

都知事杯を受け取り、マスク越しに笑みを浮かべる海斗★選手

優勝チームは、実はまだ余力を残していた!? 「モンスターストライク」大会

 1チーム4人、全88チームが参加した「モンスターストライク」大会は、各チームをA~Dまでの4グループに分けて、各グループでスイスドロー5回戦のBO1(※1マッチ先取)形式で予選を行い、各グループの上位2チーム、合計8チームが決勝トーナメントを進むというルールで行なわれた。

 過去の「モンストグランプリ」出場経験者など、すでに公式大会での実績を持つ選手が何人も参加していたこともあり、どの選手も自分のターンになってから打ち出すまでのスピードがとにかく早く、引っ張ってから指を離すタイミングも実に正確で、試合によっては1手のミスがそのまま敗戦につながってしまうほどにシビアな戦いが繰り広げられた。決勝戦は2マッチ先取で行なわれ、終始リードを奪って自分たちのペースを崩さなかったSonrisaチームが161【cm】チームを2-0のストレートで破り、文句なしの優勝を決めた。

 決勝戦終了後、「初戦はものすごく緊張したけど、勝ったら緊張がほぐれて普段の練習どおりにプレイできるようになったのが勝因」、「猛練習をしてきた成果が、本番で発揮できたのでうれしい」、「本番のほうが、むしろいつもよりもみんな声を出し合っていた」、「いつも以上に楽しかった。試合を重ねるごとにテンションが上り、『勝てるな』という確信が持てた」などと勝因を語ってくれたSonrisaチームのメンバーたち。特に筆者が驚かされたのは、準決勝と決勝戦で使用したステージ用に、「実は、本来もっと早く攻略できる編成を別に準備していた」と明かしてくれたことだった。「(うまくいけば早く攻略できる編成は、ミスをするかもしれないから)怖いので使わなかった。決勝戦では使うかどうか迷ったが、相手の編成を見たうえで、これなら編成を変えなくても勝てると思った」と、冷静に判断を下したうえで試合を進めていたことを明かしてくれた。

 なお、Sonrisaの4名がチームを組んだのは今大会が初めてのことで、うち2名は公式大会初出場だったが、「もし(グランプリなどに)参加する機会があれば、ぜひ参加したい」とのこと。その試合巧者ぶりを、またどこかの大会でぜひ見せてもらいたい。

史上13人目の公認プロは最年少の中学2年生に決定! 「パズル&ドラゴンズ」

 「パズル&ドラゴンズ」を使用した「パズドラチャレンジカップ2020」は初日、2日目ともに当日エントリー方式で、パズドラレーダー内のスコアアタックダンジョン「東京eスポーツフェスタ2020winter」を使用して行なわれ、それぞれ予選を勝ち抜いた上位2名ずつ、合計4名が決勝大会へと駒を進めた。決勝戦に進出したのは、初日の予選を突破したグリーンフォレスト選手、海斗★選手と、2日目の予選を突破したさら選手、るいーん選手の4名で、決勝戦は3試合の合計得点で勝敗を競うルールで行なわれた。

 どの試合も凄まじいスピードで、十字消しを同時に2つも3つも作ってしまうテクニックは圧巻で、さらにクリアタイムを稼ぐため、一度10前後のコンボを成功させた後は、あえて大連鎖を狙わずに必要最低限のコンボに調整するという高度な戦略も披露してくれた。本大会を制したのは、2位のグリーンフォレスト選手とわずか116点という超僅差(クリアタイム換算で約1秒差!)で競り勝った中学2年生の海斗★選手で、「パズドラ」史上13人目となる日本eスポーツ連合(JeSU)公認のプロゲーマーライセンスが贈られた。ちなみに海斗★選手は、決勝戦の1試合目をわずか1分44秒でクリアしており、解説者も思わず「ヤバイ!」と舌を巻くほどの早業を披露してくれた。

 また、本大会とは別に行なわれた「パズドラ スペシャルステージ」のステージイベントでは、ハライチの岩井勇気さんとマックスむらい氏がゲストとして登場。タイムアタックチャレンジでその腕前を披露するハズが、途中でまさかのゲームオーバーになりリテイクをするというパフォーマンス(?)を見せてくれた。さらに本作の山本大介プロデューサーからは、「ソードアート・オンラインコラボ第2弾」をはじめ、新ダンジョンの追加やドットモンスターたちのパワーアップなど、近々のアップデート情報が公開された。

小学生選手たちの純真無垢な姿に感動! 「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦」

 「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦」は、その名のとおり小学生以下限定の大会。北は北海道、南は大分県までの15地区で行なわれた予選を勝ち抜いた15名と、本フェスタ初日に開催されたトーナメント優勝者のたっつん!選手、そして2日目の当日予選を勝ち抜いた2名を加えた、合計18名の選手が決勝大会に参加した。

 大会は予選から実にドラマチックな展開に。なぜなら、初日のトーナメント戦で敗れた選手の多くが、負けた悔しさのあまり2日目も会場へやって来てふたたび予選にエントリーするほどの情熱を見せてくれたからだ。しかも、予選を勝ち抜いたのが初日にも出場した、ゆー、もっぺの両選手とあっては、本大会でのリベンジを期待せずにはいられない展開となった。

【「当日予選のスコアアタック」】

2日目の予選スコアアタックの様子。合計38名の選手が参加した。

2日連続で予選突破を果たして喜ぶ、ゆー選手(左)ともっぺ選手(右)。前日に引き続き相まみえたことで、いつの間にか打ち解けて友情も芽生えていたようだ

決勝大会に出場した全18選手。選手たちは勝ち抜いた地区ごとに色分けされた、本大会用に作られた特製パーカーを着用していた

 決勝大会は、まず最初に課題曲「情熱大陸」を使用したスコアアタックが行なわれ、その成績によって全18選手を1ブロック6名ずつ、A~Cまでの3ブロックに分けたトーナメント戦の組み合わせを決定した。トーナメント戦では、お互いの持ち曲の中から1曲ずつを選び、2曲プレイした合計のスコアが高いほうが勝ちとなるルールで、準決勝以降は難易度が「おに」の曲も選べるルールとなっていた。

 スコアアタックの上位6名、すなわち各ブロックの2名は1回戦がシードとなったが、シードに入った選手たちは精神的にも楽になったせいなのか、トーナメント戦以降も軒並み好成績を収める展開に。なお、当日予選を勝ち抜いた勢いを持って参戦したゆー選手ともっぺ選手は、1勝はしたものの準決勝で惜しくもともに姿を消した。

 あらゆる曲をほぼフルコンボで演奏する、見事なバチさばきでブロック優勝の座を勝ち取ったのは、なーつつ、ようた、ぶんちゃんの3選手。3名には、3月に開催される「ハワイホノルルフェスティバル」の参加権が授与された。なお、ホノルル行のスケジュールは3泊5日で、保護者も同伴ができるとのこと。3選手とも良い親孝行ができたことだろう。

 まだ小学生の若さで「おに」の譜面も難なくこなす、各選手の腕前は掛け値なしに素晴らしかったが、筆者がそれ以上に感銘を受けたのは、彼らが大好きなゲームを一生懸命プレイする姿勢だった。真剣に譜面に向かい、一心不乱にバチを叩き続けるその姿からは、憧れの全国大会に出られたという喜びに満ちあふれて実に楽しそうであり、お世辞抜きにみんないい表情をしていた。試合終了後、自分が負かされた相手を恨んだり悪態をつくようようなことも一切なく、「負けたけど、自己ベストを更新できたのでうれしい、悔いはない」などと謙虚にコメントしたり、「相手のほうが強かった」と勝者を称えるなど、素晴らしいフェアプレー精神を発揮したことも特筆に値する。

 また、どうしても全国大会に出たいからと、複数の地区予選に遠征をしたプレーヤーがいたことにも驚かされた。例えば、りょうた選手は地元岡山県での大会に敗れたことで、わざわざ愛媛県大会にまで出掛けて優勝を飾り、本大会への出場権を獲得した。さらにすごいのは、Cブロックを制したなーつつ選手。地元の茨城県では予選が開催されなかったため、何と4箇所の地区予選に遠征し、秋田県大会で代表の座をつかんだというガッツの持ち主。その努力が実って見事ハワイ行きを決めたが、「秋田のみんなの気持ちも背負って、全国大会を頑張りたい」と殊勝なコメントをしていたことも、優勝したのと同じぐらい立派だった。

おわりに:2日間の取材を終えて

 小中学生の若い参加者がとりわけ目立った「東京eスポーツフェスタ」。ステージイベントのスケジュールが2日間とも約1時間遅れてしまったのは反省材料だが、競技中のトラブルは特になく、会場もそれほど混雑しなかったので移動も観戦もしやすかったのは好印象だった。

 「パズドラ」で優勝した海斗★選手は、晴れてJeSU公認プロゲーマーの資格を得たが、もしかしたら数年後には、本フェスタの各大会に出場したほかのプレーヤーのなかからも、国内外の各大会で賞金を稼ぎまくるスタープロゲーマーが誕生しているかもしれない。もしそうなれば、「eスポーツの普及」という目的を掲げ、5千万円もの予算を計上してフェスタを開いた東京都、および各主催団体としても願ったりかなったりだろう。

 高額の賞金を争うメーカー主導の大会や、昨年に第1回目が開催された、地域対抗で順位を競う国体とはまた違った形で、小さい子でも無料で気軽に参加できて、保護者も一緒に応援しつつeスポーツを楽しめる機会を行政が提供するのは、よほどの大赤字を計上しない限りは今後も続けていいのではないかと素直に思えた。もし来年も第2回目の開催を予定しているのであれば、今後も同じ運営コンセプトを貫き通し、「子供たちのeスポーツの登竜門」として定着、機能することを願ってやまない。

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