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土曜日, 1月 23, 2021

格闘ゲーム界のレジェンド・ウメハラ選手と対戦するのは誰だ!? ご当地キャラ「ストV」大会レポート –

 ちょうど1カ月前に第1回放送が行なわれたご当地キャラクターによる「ストリートファイターV(以下、ストV)」大会「Intel Presents. SFV LOCAL CHARACTER GP JAPAN 2020」の第2回放送が、満を持して開催された。

 今回は大会に参加した10体のキャラクターのうち、前回の対戦で勝ち上がってきた大崎ニセ番太郎、イヌナキン、カパル、しんじょう君の4体のキャラクターが激突。優勝者には、日本を代表するプロ格闘ゲーマー・ウメハラ選手とのエキシビションマッチへの出場権が与えられる。前代未聞のご当地キャラクター限定大会であり、しかも「ストV」のゲームメーカー「カプコン」の公認大会とあって、ご当地キャラクター界と格闘ゲーム界の両方から注目が集まった。

 さて、筆者はご当地キャラクター好きのeスポーツライターということで、ありがたいことに前回に引き続き今回もレポート記事を書かせていただく運びとなった。格闘ゲームファンには各ご当地キャラクターの愛すべきポイントを知ってもらえるように、そしてご当地キャラクターファンには格闘ゲーム観戦の面白さを味わってもらえるように、工夫しながら筆を進めていくつもりなので楽しんでいただければ幸いである。

第2回放送からは3本先取のシビアな戦い

 第1回放送のおさらいを簡単にしておくと、出場したご当地キャラクターはたかたのゆめちゃん(岩手県)、大崎ニセ番太郎(東京都)、こにゅうどうくん(三重県)、イヌナキン(大阪府)、アックマ(北海道)、みくちゃん(奈良県)、カパル(埼玉県)、ふなっしー(千葉県)、きくちくん(熊本県)、しんじょう君(高知県)の全10体。全国的な人気を誇るふなっしーをはじめ、格闘ゲーム界で名を馳せるしんじょう君、「ゆるきゃらグランプリ」の覇者や上位に名を連ねる有名キャラクターなど豪華な参加者が目を引く。

今大会のトーナメント表、赤線が前回大会を勝ち抜いたキャラクターたち

 第2回放送に出場するのは勝ち上がってきた大崎ニセ番太郎、イヌナキン、カパル、しんじょう君の4体のキャラクターだ。試合形式は少し変わり、先に3本取ったほうの勝ちとなる。前回よりも試合数が増えたことによって運やまぐれによる勝ち抜きの可能性が減るとともに、より戦略性やメンタルのコントロールが求められるシビアな戦いとなる可能性が高い。

(上段)アール氏、(下段左)倉持由香さん、(下段右)ガチくん選手

 配信を盛り上げてくれるのは、前回と同様のメンバーである。改めて紹介すると、実況は各種大会の実況者として活躍するアール氏、ゲストは世界大会「カプコンカップ2018」の覇者であるプロゲーマーのガチくん選手と、グラビアアイドルで格闘ゲームにも造詣が深い倉持由香さんの3名だ。ご当地キャラクターはその特殊性から他業界の皆さんになかなか理解を得られないこともあるのだが、基本的にキャラさんに優しく適度にいじることも知っている絶妙なバランス感覚を持った御三方の進行は、安心して見ることができる。

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1戦目:大崎ニセ太郎(ギル)vsイヌナキン(ベガ)

 本来のエントリーは東京都品川区にある大崎駅西口商店会のマスコットキャラクター・大崎一番太郎だったが、代理で大崎ニセ番太郎が出場したため今回からは登録も変更。さらに大崎一番太郎とその声を担当する山口勝平氏が応援に駆けつけた。前回、専属コーチのネモ選手による特訓の甲斐あって強さを身につけたが、強すぎて逆に多くの視聴者から反感を買ってしまった苦い経験を持つ。

 一方、対戦相手となったのは大阪府泉佐野市の公式キャラクター・イヌナキン。前回大会で高い実力を見せていたが、もともと「ストII」のファンであったことが後日判明した。「ギルのラリアットの確定反撃(攻撃をガードして相手が動けない間に確実にヒットする反撃を入れること)を練習してきた」という専門用語バリバリのコメントで出演者全員を驚かせる場面も。

相変わらずの強さを見せつける大崎ニセ番太郎と練習の成果を発揮したいイヌナキン

 気合十分のイヌナキンは確定反撃はもちろん、全体的に玄人じみたプレイ披露した。相手のレベルをいち早く察知した大崎ニセ番太郎も、本気を出さざるを得ない様子。画面下にある水色のEXゲージ3本を使った「クリティカルアーツ」と呼ばれる必殺技を両者が何度も出し合うシーンは、前回大会では見られなかったものだ。数々のプロゲーマーの試合を実況してきたアール氏をもって「CTP(カプコンプロツアー)感」と言わしめたハイレベルな戦いは、最終的に3-1で大崎ニセ番太郎の勝利となった。

2戦目:カパル(バーディー)vsしんじょう君(リュウ)

 続いて試合に臨むのは、埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の公式キャラクター・カパル。この日はモヒカンにベストというバーディーのコスプレ姿で登場した。この1カ月で倉持さんは「カパラー」と呼ばれるファンの熱烈な応援を実感したのだそう。さらにガチくん選手は、ツイッターのリプライをたくさんもらって嬉しかったという理由でカパルを注目選手として挙げた。なお、返事はしていないとのこと。

 その対戦相手は、高知県須崎市の公式キャラクターでニホンカワウソのしんじょう君だ。「ストV」ガチ勢として知られているが、その熱意は尋常ではない。自身のYouTubeチャンネルで、前回の全試合の振り返り解説動画をアップ。直前には対戦相手の分析動画まで撮るなど、研究を怠らない姿勢はまるでプロゲーマー。ただし前回、ご当地キャラクター界の大先輩ふなっしーをボコボコにした件についてはノーコメントを貫いた。

エンタメを考慮しないガチ勢のしんじょう君となんとか一矢報いたいカパル

 試合はやはりと言うべきか、優勝候補と謳われるしんじょう君が一方的な戦いを見せる。カパルも前回大会では対応できていなかった相手のジャンプを撃ち落とす「対空」をこなすなど練習してきた様子はうかがえたものの、今回ばかりは相手が悪すぎた。ガチくん選手の「カパルにリプライ返してもっと教えてあげればよかった」という後悔も後の祭り。しんじょう君がパーフェクトK.Oを含むストレート勝ちで決勝進出を決めた。

リベンジエキシビションマッチ第1弾:みくちゃん(さくら)vsこにゅうどうくん(豪鬼)

 ここでリベンジエキシビションマッチとして、奈良県大和高田市の公式キャラクターみくちゃんと三重県四日市市の公式キャラクターこにゅうどうくんが急遽登場。実は前日にこにゅうどうくんがツイッターで「敗者復活出来るかな~」と匂わせ発言をしており、みくちゃんも直前に「応援で参加するよ~」とツイートしていたため、期待していたファンもいたかもしれない。

 直前のインタビューでこにゅうどうくんはご当地キャラクターらしく「仲良く戦いたい」と語ったが、神の手の持ち主みくちゃんは「かつぞ」と闘志を燃やす。さらに、岩手県陸前高田市のゆめ大使・たかたのゆめちゃんも応援として出演。両キャラに声援を送るとともに、翌週に迫った「ゆるキャラグランプリ2020 THE FINAL」では自分を応援してほしいとちゃっかりアピールしていた。

みくちゃん操るさくらを遠距離から焼き尽くそうというこにゅうどうくんの豪鬼

 こちらはエキシビションマッチということで、1戦先取で勝敗が決まる。みくちゃんは地道に練習を重ねたのか、相手を投げようとしたり技を出そうとするアクションが前回より増えていた。しかしこにゅうどうくんの豪鬼による灼熱の波動拳が、みくちゃんを炎に包み込む。勝負はこにゅどうくんに軍配が上がったが、みくちゃんの「これからも仲良くしようね」という優しい対応にほっこりさせられる試合となった。

決勝戦:大崎ニセ太郎(ギル)vsしんじょう君(リュウ)

 さて、お待ちかねの決勝戦。このタイミングで、大崎一番太郎としんじょう君が夫婦であることがついに大会側にも知れ渡ることとなった。実はご当地キャラクター界ではふたりの仲良しぶりは有名で、過去には「しながわ夢さん橋」のイベントにて結婚式を挙げたことも。みんなの応援を一身に受けるしんじょう君と、文字通り四面楚歌の状況で戦う大崎ニセ番太郎の勝負の行方に注目が集まった。

あのしんじょう君から1本を取り、格闘ゲーム界から新たに注目を集めた大崎ニセ番太郎

 ここまでの試合で両者の実力が高いことはわかっていたが、やはりこれまでにないハイレベルな戦いだ。しかも実力が拮抗しているため、非常に見応えのある接戦が繰り広げられた。キャラクターの特性上、互いに飛び道具と呼ばれる遠距離攻撃ができる弾を持ちつつ、それを無効化するスキルもまた両者ともに使うことができる。

 最初の1本を大崎ニセ番太郎が必殺技のクリティカルアーツ「セラフィックウィング」で華やかに取っていったかと思えば、小技を駆使して冷静にプレイしたしんじょう君が1本を取り返す。しんじょう君が2-1で王手をかけた試合では、両者ともに体力バーが目視できない「0ドット」状態に。最後ギリギリのところで波動拳を当てたしんじょう君が勝利し、見事優勝を果たした。

リベンジエキシビションマッチ第2弾:アックマ(ラシード)vsきくちくん(エド)

 平和な放送に突如乱入してきたのが、熊本県菊池市の非公認キャラクターきくちくんだ。再びガチくん選手へのリベンジを申し込んできたものの、実力差を考慮し、ガチくん選手への弟子入りがほぼ確定している宇宙生まれ北海道在住のアックマ様が対戦相手となった。この日は北海道キャラが一堂に会する恒例の「ゆにガーデンイベント」に参加したため、早起きして覚醒しているのだとか。

 そしてこの試合も応援でたかたのゆめちゃんが登場したが、「青より紫が好き」とアックマ様寄りの応援であることをほのめかした。ちなみにアール氏が視聴者に向けて好きな色をコメントするよう促すと、コメント欄が瞬時にアックマ様のファンである「手下」の皆さんによるアックマアイコンと、格闘ゲームファンによる「紫」の文字でほぼ埋まったことも付け加えておく。

試合中は話しかけてほしくないきっくんと技が決まってガッツポーズのアックマ様

 こちらも勝負は1戦先取。アックマ様の成長ぶりは、ラシード使いのガチくん選手も認めるレベルだ。対するきくちくんには、アール氏から「ガードができていない」とのダメ出しが。それは先ほどのみくちゃんも同じだったはずだが、少々当たりが強いと感じるのは気のせいか。試合は、最後に大技のクリティカルアーツ「アルタイル」を決めたアックマ様が快勝。終始ヒール役に徹底していたきくちくんだったが、「この大会で一番爪跡を残したのはきっくん」とツイッターフォロワー42万超えの倉持さんからビジネス的な評価を受けていた。

スペシャルエキシビションマッチ:しんじょう君(リュウ)vsウメハラ(ガイル)

 ここで満を持して登場したのが、ウメハラ選手だ。日本初のプロ格闘ゲーマーであり、現在も第一線で活躍するリビングレジェンドである。今大会の放送中に宣伝されていた「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020」においても、先日行なわれたプレシーズン大会で2位という好成績を残したばかりだ。また、国際大会でも数々の素晴らしい戦績を残しており、海外では英語IDの「The Beast」として広く知られている。

 そんなウメハラ選手のしんじょう君に対する印象は「上級プレイヤー」とのことで、「足立区のびーすと君」コンセプトではなく「全力でやる」と宣言。対するしんじょう君はウメハラ選手が憧れの選手であり、ただただ「光栄」だそう。言葉は発せずとも、その緊張感が画面からひしひしと伝わってくる。

憧れのウメハラ選手と夢の対戦を果たしたしんじょう君の姿は感動的であった

 ウメハラ選手は宣言どおり、ガチのプレイでしんじょう君を迎え撃つ。ありとあらゆる技を駆使し、立ち回りや間合いなどすべてが段違い。しんじょう君も投げを加えてウメハラ選手の体力をある程度削ることには成功したものの、最後までクリティカルアーツ「真空波動拳」は撃たせてもらえずじまい。結局ウメハラ選手が2-0で勝利した。トップレベルの実力を初めて味わったしんじょう君は、この悔しさをバネに今後の飛躍を誓った。

 ところで以前、しんじょう君が「ご当地キャラとプロゲーマーがチームを組んでトーナメントしたら面白そう」と語っていた。全国各地で開催されるイベントを主な活動場所としてきたご当地キャラクターたちは今、コロナ禍によって活動の場を大きく失っている。オンラインで実施できるeスポーツは、ご当地キャラクターにとって神の一手となるかもしれない。

 逆にeスポーツ業界でも、いわゆるプロ野球やJリーグのようにチームを地域活性化につなげようとする動きは試行錯誤されてきた。しかしオフライン大会は集客の見込める大都市で行なわれることが多いうえに、そもそもオンラインで実施される試合も少なくない。eスポーツがご当地キャラクターとタッグを組むことは、地域性を持たせるという意味で絶好のチャンスではないだろうか。

 今回しんじょう君は、ご当地キャラクター大会の初代王者という称号を手に入れた。放送中、自然に「初代」という枕詞が何度も使われているのを見ると、これは第2回があると考えて良いのではないだろうか。この大会が定例化し、格闘ゲーム業界とご当地キャラクター業界の両方にシナジーをもたらしていくことが期待される。

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