2.5 C
Tokyo
土曜日, 2月 27, 2021

全世界的なゲーム業界の成長がモバイルパブリッシャーの新たな収益源を創出している |


モバイルゲームは全世界で成長を続けており、2017年と比較するとアクティブなモバイルゲームプレイヤーの数は各市場で平均7%増加しています。Newzooの「Global Games Market Report」(2020年4月)では、モバイルゲーマーの数は今年末までに27億人にのぼると見込まれており、そのうち3分の2はモバイルゲームを毎日プレイしています。ゲームはソーシャルメディアとしての日常生活の一部であると言っても過言ではありません。

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって各国でロックダウンが行われたにもかかわらず、モバイルゲーマーはこれまで以上にゲームに熱中し、課金するようになっています。数字としてもその傾向は火を見るより明らかで、Newzooの「Global Games Market Report」(2020年10月)によると、2020年における最大のセグメントは引き続きモバイルゲームであり、その収益は対前年比13.3%増の772億ドルにのぼりました。

世界的にみると、モバイルゲームは既存の欧米・アジア市場で引き続き成長を続けています。2020年7月にFacebookの委託により2CVが実施した調査に基づくモバイルゲーム広告に関するレポートによると、ほぼすべての調査対象国においてアクティブなゲーマーの数が2017年から2020年で平均72%増と、大幅に増加しています。

日本のアクティブゲーマーの増加率は最も高く、この成長の要因は女性のゲーマーと65歳以上のゲーマーが増加していることです。

パブリッシャーの目標が国内のプレイヤーを増やすことでも、新規市場に参入することでも、持続的な成長におけるポイントの1つは、適切な収益化モデルを展開することです。

本稿では、パブリッシャーが収益を生み出し、ゲームビジネスを成長させる機会につながる、ゲーム市場に関する最新のグローバルインサイトを紹介します。

ゲーマーのエンゲージメントは成長の機会を促進

モバイルゲームにおけるエンゲージメントの増加は、既存の欧米・アジア市場における成長のみならず、新たな市場における成長も促しています。モバイルデバイスが進化し、インターネットがより高速で安価に、世界中の多くの場所で利用できるようになるにつれ、モバイルゲームは全世界で新たなプレイヤーを獲得するようになっています(2CV)。

次のチャートは、トルコ、ベトナム、ブラジル、アルゼンチン、ロシアで調査対象となったゲーマーの約4分の3が、過去1か月間にモバイルゲームをプレイしたことを示しています。これは、より技術的に進歩していると考えられていた欧米やアジア諸国に匹敵する数字です。

プレイヤーの多くはエンゲージメント率が高い

各国のプレイヤーのエンゲージメントレベルは同じように高い水準にあります。2CVによる調査の対象となったゲーマーがスマートフォンにインストールしているゲームの数は平均5.6件で、1か月にプレイするゲームの数は平均3.4件。約70%のプレイヤーはお気に入りのゲームを毎日プレイしています。さらに、平均プレイ時間は全市場で平均5分増加し、47分となっています(2CV)。

モバイルゲームが人びとの生活に浸透したのは疑う余地がありません。2CVによる調査の回答者にゲーム習慣についてたずねたところ、フランスのあるゲーマーが次のように的確にまとめてくれました。「あらゆる時間がモバイルゲームの時間になります。簡単にプレイできるゲームもあれば、より集中力が求められるゲームもあります。どのゲームをプレイするかは気分次第です

収益化とジャンルのトレンド

プレイヤーのエンゲージメントが高まり、ゲーム市場が競争によってますます飽和状態になるにつれ、開発者は新たな収益化の手段を求めるようになっています。

代表的な収益モデルには、サブスクリプション、アプリ内購入(IAP:In-App Purchase)、アプリ内広告(IAA:In-App Advertising)、IAAとIAPを組み合わせたハイブリッドモデルがあります。収益化の点から見ると、ハイパーカジュアルジャンルはIAAを収益源にすることによってモバイルゲーム業界における変化を促したとよく言われています。

IAAとハイブリッドモデルという新たな収益モデルの登場

従来ゲームの収益化においては、IAPを主な収益源とし、コアなモバイルジャンルに注目する傾向がありました。新しいカテゴリの登場に伴い、持続可能な収益モデルの構築を目指すモバイルゲーム開発者にとって、広告は今やビジネスを支える大黒柱となっています。実際に、現在開発者の4分の1以上がROIを確保する最適な手段としてハイブリッドアプローチを挙げています*。
*Walnut Unlimitedによる定量調査による(Facebookの委託により、2019年4月に米国、EMEA、APACで173件のオンラインインタビューを実施)。

ただし、ゲームタイプやユーザープロフィールによって微妙な違いが生じるため、開発者の78%はこれらの要素に応じて収益化アプローチを調整することが重要であると考えています。例えば、コアゲーム/ミッドコアゲームの大手開発者の69%はハイブリッドアプローチを収益化メカニズムの第一候補として挙げる一方で、IAAモデルを積極的に利用している一部開発者がいます。 (Walnut、2019年4月)。

LINE GAME: 動画リワードによりゲーム体験と収益が向上

LINE GAMEは、IAAの導入によってゲーム体験を向上し、収益を増やしたパブリッシャーパートナーの1つです。当初LINE GAMEでは、IAAの導入によってIAPに悪影響が及ぶことを懸念していました。ところが、Facebook Audience Networkチームからのアドバイスを受けて動画リワード広告をテストしたところ、アプリ内購入には影響しないだけでなく、リテンションとアプリの滞在時間が大きく向上することが分かりました。

この意外ともいえるデータの詳細は、近日本サイトにて公開予定のLINE GAMEへのインタビューでご紹介します。

ハイパーカジュアルの人気

プレイして楽しく、気軽に中断・再開でき、シンプルで分かりやすいモバイルのハイパーカジュアルゲームがここ数年米国、欧州、アジアのランキングで1位を占めているのは当然と言えるでしょう。芸者東京は、圧倒的なエンゲージメントを達成している日本のハイパーカジュアルゲームデベロッパーの一例です。

また、今年のパンデミックによって外出自粛を余儀なくされ、気晴らしにハイパーカジュアルゲームをプレイするプレイヤーが増加しました。モバイルマーケティング効果測定企業Adjustとゲームエンジン開発会社Unity Technologiesのレポートによると、ハイパーカジュアルジャンルは2020年第1四半期に72%拡大しています。

ハイパーカジュアルゲームの主な収益源は、難易度が高く短時間のレベルのフォーマット内に高いフリークエンシー(頻度)で配信される広告です。App Annieの「The State of Mobile Games」(2019年6月)によると、ハイパーカジュアルジャンルのゲーマーが動画広告を再生する回数は、その他のジャンルのゲーマーの平均2倍となっています。

では、ハイパーカジュアルゲームのプレイヤーは広告についてどのように考えているのでしょうか。Facebook IQの委託による調査「ジャンルと人気ゲーム」(2020年8月)において、調査対象となった11か国における13,000人超のモバイルゲーマーを対象に実施した分析によると、調査対象となった米国のハイパーカジュアルゲームのプレイヤーの大半(79%)は広告の価値交換を理解しており、アプリ内広告が表示されることは問題ないと考えています

パブリッシャーは広告収入によって持続的な成長を実現できる

ゲーマーの増加に伴い、広告による収益化を図る開発者の数も増加しています。広告収入が拡大する中、2019年末時点でゲーム内広告は全世界におけるスマートフォンゲームの収益全体(826億ドル)の17%を占めており、この割合は2024年までに3倍になると見込まれています(2CV、2020年7月)。

App Annieの最新調査である「モバイルゲームにおける広告収益化 – 新たな可能性」(2020年3月)では、2019年12月の時点で、世界中のゲームの上位1,000タイトルのうち、89%に広告SDKがインストールされていることが報告されています。

世界トップクラスのゲーム会社においてIAAによる収益チャネルの多様化が進んでいるのはなぜでしょうか。レポートからは、その他の主要なパフォーマンス指標も向上していることが分かります。

これらのアーリーアダプターは、IAAによってゲームでより多くの収益化を実現しており、プレイヤーのエンゲージメント、リテンション、顧客生涯価値についてもプラスの影響が見られました(App Annie、2020年)。上位1,000タイトルのゲームアプリの集計データからは、モバイルゲームに広告プラットフォームSDKを導入してもプレイヤーリテンションは安定して維持されることが分かっています。

さらに、広告による収益化を始めたゲームのダウンロード数や月間アクティブユーザー数は、SDK導入後の3か月間、安定した増加傾向を見せました(App Annie、2020年3月)。

もし、現在もIAPが主な収益源であるなら、更なるマネタイズやリテンションの向上を目指してハイブリッド収益化モデルへ移行することを検討してみてはいかがでしょうか。

App Annieのレポートにおけるその他のインサイト(2020年3月)をご紹介します。

広告収益化のためのSDKを導入するアプリは増加

  • 広告プラットフォームSDKの導入件数は増えている。全世界のトップゲームの89%が何らかの広告プラットフォームSDKを組み込んでいた(2019年12月時点)。2019年1月1日からは6%の増加となる。
  • Apple App StoreとGoogle Playでの合計ダウンロード数で見ると、Facebook Audience Networkは世界でもトップ5に入るSDKとなる。

プレイヤーの広告に対する反応が最も良好なのはカジュアル/シミュレーションゲーム

  • 2019年に全世界でダウンロード件数が最も多かったのはカジュアルゲーム(主にアーケードとパズル)で、アプリストアにおけるダウンロード件数の82%を占めていた。
  • カジュアルゲームでは広告SDK導入後1か月間のセッション数の伸びが平均198%にもなった。
  • パズルゲームでは広告SDK導入後の1か月で総滞在分数が平均66%増、3か月で平均133%増となった。
  • シミュレーションゲームでは広告SDK導入後、即座にセッション数が34%増、滞在時間が36%増、MAUが54%増となった。

広告SDKのインストール後にMAU、滞在時間、セッション数が増加

  • ゲームアプリ上位1,000タイトルを調査した結果、南北アメリカおよびEMEAでは、広告SDK導入後1か月間に総滞在時間が増加していた。
  • ゲームアプリのMAU上位1,000タイトルにおける地域別の広告SDK導入率: 米国(87%)、英国(81%)、フランス(77%)、ドイツ(81%)、ロシア(69%)、日本(79%)、韓国(77%)、ベトナム(54%)、ブラジル(83%)、アルゼンチン(56%)

IAAに対するゲーマーの意識を把握

ゲーマーの増加とエンゲージメントの向上に伴い、広告による収益化の裏付けも増えています。全世界のプレイヤーの大半(79%)は、開発者が広告収入に頼ることによってプレイヤーが楽しめるゲームを開発できることを理解しており、無料のゲームプレイとの公平な価値交換として広告収入型モデルを受け入れています(2CV、2020年7月)。

長い間、モバイルゲームにおいてはゲーム内広告があまり好まれず、プレイ中の楽しみを邪魔する存在であると誤解されてきました。ところが、広告によってプレイヤーのセッションが伸び、チャーン率が低下するとともに、インタラクションが増加することが分かっています。

プレイヤーはリワード広告そのものが有益であることは理解しているものの、適正に扱われることを望んでいます。つまり、パブリッシャーはゲーム内の広告が過剰にならないようにするとともに、ゲームプレイの中断を最小限に留める必要があるということです。

ハードコア/ミッドコアゲームにおけるアプリ内広告の新たな可能性

カジュアルゲームとハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーがすでにプレイヤーに適した広告フォーマットを利用して収益化している一方、ハードコアやミッドコアのパブリッシャーは広告における成長の可能性を認識し始めたばかりです。

これは大きなチャンスといえるでしょう。ハードコアやミッドコアのモバイルゲームのプレイ時間は他のジャンルよりも継続的に伸びているうえ、動画リワード広告は驚くほど肯定的に捉えられています。ただし、RPGやストラテジー、アクション、バトル、その他同様のハードコアやミッドコアのモバイルゲームにおいては、効果を最大限に上げられるよう適切に広告を取り入れる必要があります。

前述のApp Annieの調査(2020年3月)によると、全世界のモバイルゲームのプレイ時間の75%はハードコアゲームとミッドコアゲームが占めています。2019年においては全世界の合計ダウンロード数の約5分の1をコアゲームが占めていたものの、広告SDKを導入したゲームの割合は10%を下回っています(2020年3月)。

ハードコアとミッドコアのゲーマーは動画リワード広告を好む

IDCのLewis Ward氏は「動画リワードを活用して、ハードコア・ミッドコア・カジュアルゲームで成功を収める」において、「ハードコアとミッドコアのゲーマーは動画リワード広告に対して圧倒的に肯定的な感情を持っている」という、彼自身も驚かされた最近の調査結果を紹介しています。すべてのプレイヤーが他の広告フォーマットよりも動画リワードを高く評価し、中でもコアゲーマーは実際にそれを好むことが分かったのです。

これはなぜでしょうか。動画リワードはプレイヤーが次のレベルに進むためのブーストが必要になるタイミングで表示されるため、オプトインによって、広告から得られる価値が高くなることが考えられます。重要なのは、このジャンルのゲーマーはパブリッシャーの予想以上に動画リワード広告に対して寛容である可能性が高いということです。

つまり、日本のパブリッシャー、特にリテンションやセッション数、プレイ時間の向上を目指しているパブリッシャーにとっては、アプリ内広告を利用して国内外でゲームビジネスを拡大する大きなチャンスがあると言えます。


全世界のゲーマーに関する詳しいインサイトをお探しなら、2CVによるレポート「ゲーム内広告の広告収益型モデルがすべての人にメリットをもたらす理由」(2020年7月)をダウンロードできます。

ゲームパブリッシャーに対するIAAの影響について詳しく知りたいとお考えなら、App Annieによるレポート「モバイルゲームにおける広告収益化 – 新たな可能性」(2020年3月)をダウンロードできます。

Related Articles