音の遅延を「限りなくゼロに…」、音楽ゲーム“永遠の課題”に挑むゲーム技術者の気概 | ORICON NEWS
当たり前とされてきた「音の遅延」、“ズレ”前提でプレイするゲーマーたちの実情
一方で、ゲーム専用機ではないスマホでゲームをプレイすることが一般的になる中で浮き彫りとなったのが、スマホをタップしてから音が鳴るまでのタイミングが遅れる「音ズレ問題」だ。
とくに画面のタップと音の連動が心地よい音ゲーにおいて、音ズレは致命的だ。スマホはゲーム専用機ではないため、遅延が発生するのは仕方ないこととして、「音がズレることを前提に体(指)を動かすことで高得点を狙う」というヘビーユーザーもいるほどだ。
とは言え、ゲーム開発者としてはプレイヤーに不必要なストレスを与えるのは本望ではない。音声や映像の独自技術でゲーム開発者を支えるCRI・ミドルウェアでも長らくこの課題に取り組んでおり、新技術『SonicSYNC』で、ついに業界の悲願だった「音ズレ限りなくゼロ」が実現された。
「人間が体感できる“ズレ”がほぼ解消」没入感の向上へ
「たとえば音ズレが比較的小さいとされてきたiPhoneでも、従来は0.1秒ほどの遅延が発生していました。これが、『SonicSYNC』を導入したゲームでは、端末機種に関係なく0.05秒程度にまで縮められます。数字ではわかりにくいかもしれませんが、グランドピアノの鍵盤を押してから音が鳴るまでの時間は0.04〜0.06秒ほどですので、人間が体感できる音ズレはほとんど解消されたと言っていいでしょう」(櫻井さん)
ちなみに音ズレを「完全にゼロ」にすることは理論的に不可能のようだ。
「スマホをタップしてから音が鳴るまでには、