【ACADEMY】プライバシーを重視する世界でのゲーム内広告の適応 –

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Adjustのチーフプロダクトオフィサー,Katie Madding氏が,変化し続けるモバイル市場における最善の戦略を探る。

 モバイルゲームの時代はまだ終わっていない。2021年のAdjustのデータによると(参考URL),セッション,インストール,継続率,アプリ内滞在時間,スティッキネス(熱中度),1日あたりのユーザーあたりのセッションのすべてが2020年と比較して増加している。

 これは通常の年でも印象的だが,最初のCOVID-19のロックダウンの結果,2020年に見られた膨大な成長を考慮すると,とくに際立つ。これまで以上にモバイルゲームに注目が集まる中,ゲーム内広告もモバイルの成長戦略においてるます重要な要素となっている。

 data.aiとIDCの調査によると(参考URL),モバイルゲームは急速にゲーム業界全体を追い越しており,2022年にはゲーム市場シェアの約61%を占めると予測されている(2021年にはすでに52%という素晴らしい数字だったことを考えても,これは非常に大きな数字だ)。

 30日めの継続率が1日めの継続率を常に上回っており(ハイパーカジュアルを除く),ゲームのユーザー獲得(UA)チームがいかにユーザーの発掘,ターゲット化,獲得,維持に長けているかは明らかだ。さらに印象的なのは,iOS におけるプライバシーの変更と IDFA 以降の明確な課題に取り組みながら(関連英文記事),これを実現している点だ。

Katie Madding氏,Adjust
【ACADEMY】プライバシーを重視する世界でのゲーム内広告の適応

ゲーム内広告が急成長している理由

 iOS 14が最初に発表されたとき,平均Opt in率は5%という低い予測だったが,幸いなことに,状況はそこまで悲惨ではない。Adjustで見ている業界全体のOpt in率は,現在26%だ。

 とくにゲームについては,2022年第1四半期時点で全体のOpt in率が31%と,有望視されている。さらにデータをサブバーティカルに分類すると,ハイパーカジュアルとアクションがともに39%,レースゲームは40%という高い数値を示している。また,個別タイトルでは70%を超えるものもある。

ゲームについては,2022年第1四半期時点で全体のOpt in率が31%となっておりとくに有望視されている

 このようなOpt in率であれば,ゲームの収益が増加傾向にあるのは当然のことだ。このように同意率が高いため,マーケティング担当者は多くのデータを活用できる。使い慣れた決定論的な意味だけでなく,SKAdNetworkのデータセットの分析をより詳細かつ実用的にする次世代の予測的ソリューションに接続することも可能だ。

 このため,ゲーム内広告は,モバイルマーケターにとってとくに魅力的な選択肢となっている。2021年12月,モバイルゲーム市場は,プレイヤーによる支出から74億ドルを生み出した。一方,2021年に過去最大の年間売上を記録したモバイルゲームは8つあり,それぞれ10億ドルを超える売上を記録している。まだゲーム内広告の戦略を持っていないのであれば,今こそ開発するチャンスだ。

 Opt inの確保は,IDFA後の戦略において不可欠な最初のステップだ。ターゲット広告を喜んで受け取る熱心なユーザーのプールができたら,受け取った承諾済みのデバイスレベルのデータを利用する方法が複数ある。これらは重要だ。

UAチームを強化する

 モバイルゲーム業界の成功の主な教訓の1つは,戦略的なユーザー獲得(UA)チームが成功にいかに重要であるかということだ。UAはモバイルマーケティングの中心的な柱だが,自動化への動きにより,クリエイティブでデータに強いUAチームから,AIや機械学習の活用に重点が置かれるようになった。

 しかし,ユーザープライバシーに新たに注目が集まったことで,モバイルマーケティング担当者は戦略を完全に見直す必要が出ていた。敏捷性と柔軟性がこれまで以上に不可欠となり,自動化だけに頼ることはできなくなったのだ(自動化は非常に重要な要素ではあるが)。そのため,UAチームに投資して,バランスを取る必要があるのかもしれない。

適切なコンバージョンイベントを特定する

 ポストIDFAの世界では,SKAdNetworkでの成功は,コンバージョン値を活用してユーザーの行動を理解し,キャンペーンのパフォーマンスを測定し,成長のために最適化することに大きく依存する。

 SKAdNetworkでは,6ビットの下流指標(0〜63の数字)を24時間タイマーで設定できる。コンバージョン値として知られているこの値は,2進数で表現できるあらゆる値に割り当てることができ,UAチームはどのイベントを含めるかを決定できる。

 一般に,鍵となるのは,インストール後の最初の24時間以内に発生したイベントのうち,追跡する重要なイベントか,この期間外の将来のイベントの指標となるものを特定することだ。たとえば,初日にいくつかのチュートリアルを完了したユーザーは,その後購入に至る可能性が高いことが分かるかもしれない。

 具体的なイベントは,アプリの業種や独自のニッチによって異なるため,オーディエンスを詳細に理解するUAチームと,新しいキーイベントを特定するための批判的思考能力が必要だ。もちろん,予測分析も重要な役割を果たすだろう。だからこそ,次世代のソリューションと優秀な人材のバランスが重要なのだ。

他のデジタル広告と同様,適切な広告を適切なユーザーに,そしてゲーム内の適切な瞬間にマッチさせることが重要だ

IDFVを秘密兵器に

 モバイルゲームのパブリッシャには,他の種類のアプリと異なるもう1つの利点がある。それは,iOSで現在も利用可能なIDFV(Identifier for Vendors)だ。

 IDFVは,1つのデバイス上の特定のパブリッシングスイートのすべてのアプリに割り当てられるため,クロスプロモーションキャンペーンを実施することが可能だ。ゲームパブリッシャは,多くの場合,大規模なゲームポートフォリオを持っている。IDFVがトラッカーURLで渡される限り,ゲームマーケティング担当者はiOSキャンペーン用の正確なアトリビューションデータを入手できる。

 IDFVの活用は,ハイパーカジュアルゲームでとくに人気がある。たとえば,重要な解約ポイントでアプリをクロスプロモーションして,特定のユーザーを同じパブリッシャのアプリに引き留める。

 おまけとして,ハイパーカジュアルゲームの同意率も比較的高く,この分野のユーザーはターゲット広告のメリットを自然に理解している。

ゲーム内広告を適切なユーザーにマッチングさせる

 ゲーム内広告には,さまざまな形式がある。標準的なバナーやインタースティシャル広告から,革新的なプレイアブル広告,人気の高いリワードビデオ広告まで,その選択肢は多岐にわたる。しかし,他のデジタル広告と同様に,適切な広告を適切なユーザーに,そしてゲーム内やユーザー体験中の適切な瞬間にマッチさせることが重要だ。

 データから,どのプレイヤーがどの広告に興味を持ちやすいか,また,ゲーム内のどの時点で各広告タイプが最も効果的であるかを知ることができる。

 ゲームは,モバイル広告の課題に適応し続けるだろう。プライバシーをより重視するようになった業界とともに進化するための鍵は,測定だ。モバイルゲームが成長し続ければ,競争も激しくなる。競争に打ち勝つには,ゲーム内広告キャンペーンをきめ細かいデータで監視することが必要となっている。


Katie Madding氏は,キャンペーンの測定と最適化,およびユーザーデータの保護のためのソリューションで,マーケターのモバイルアプリの成長を支援する分析プラットフォームAdjustの最高製品責任者だ。

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