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木曜日, 6月 24, 2021

なぜ重要? モバイルゲームで成功の鍵となる「リテンションレート」とは –

なぜ重要? モバイルゲームで成功の鍵となる「リテンションレート」とは

 モバイルアプリ業界は,2020年に爆発的に成長し,同年にはユーザーの消費額が1430億ドル,モバイル広告費が2400億ドルに達しました。日々新たなアプリが登場し市場競争が激しさを増したことで,アプリ開発者は今まで以上に迅速に収益を上げることを求められています。

 とくにアプリの中でもモバイルゲーム業界は活況となっており,モバイルゲームの収益化を目指して,開発者は新規ユーザーを獲得するだけではなく,獲得したユーザーを定着させ,リテンションレート(継続率)を上げるための施策についても戦略立案や実行が求められます。本稿では「リテンションレート」に着目し,世界中のゲームスタジオおよび開発者の支援を行ってきたAppLovinの経験に基づいて,その重要性や計測方法,リテンションレートを向上させる方法について,2回に分けて紹介します。

そもそもリテンションレートとは

 モバイルアプリのパフォーマンスを計測する方法は顧客獲得コスト(CAC),顧客生涯価値(CLV),平均収益(ARPU),チャーンレート(解約率)など様々な指標がありますが,とく重要な指標として用いられているのがリテンションレートです。リテンションレートとは,アプリのインストール後,一定の期間(通常30日間)内にアプリを起動しているユーザー数を期間中の総インストール数で割った割合のことで,この指標を用いてユーザーのアプリに対するエンゲージメントや関心,ロイヤリティなどを測定することができます。

リテンションレートはなぜ重要なのか

 では,リテンションレートがなぜ重要なのでしょうか。具体的な理由を見てみましょう。

 まず,リテンションレートの高さは収益性につながることが挙げられます。長く継続的にプレイするユーザーは課金する傾向が強いため,リテンションレートを改善することで,全体の収益アップが期待できます。リテンションレートを向上させるためには,ユーザーがいつ,なぜアプリをアンインストールしたかを分析し,その結果をもとにアプリの内容を改善する必要があります。

 リテンションレート向上の具体的な例:

 あるモバイルゲームの開発者が,多くのユーザーが特定のステージに到達するとゲームから離脱してしまうことに気づきました。そこで,7日間のログインボーナスを導入したり,ゲーム内の通常アイテムをレアアイテムに変える新しいキャラクターを登場させたりといった改善を行った結果,そのステージ以降も継続してプレイするユーザーが増加し,リテンションレートの向上につながりました。

 これはあくまで簡単な例ですが,このような形で,ゲームのリリース後においても,リテンションレートをもとに分析やテストを続けることが重要です。

 また,リテンションレートはマーケティングの観点からも重要な指標です。高いリテンションレートは,開発者がユーザーの課題を効果的に解決できていることを表し,そこで得た知見は新しいアプリやサービスを開発する際にも活用できます。逆にリテンションレートが低いときには,ユーザーの満足度の低さや,他により優れたサービスや機能を備えた競合がいる可能性が考えられます。

 アプリのマーケティング担当者は,新規ユーザー獲得の施策と同様に,利益を生み出してくれるユーザーを維持し,また離脱してしまったユーザーに対しては再びアプリを起動してくれるように施策を講じる必要があります。そのためには,アンインストール数だけに固執せず,なぜ,ユーザーが離れてしまったのかを知り,ユーザー当たりの平均売上金額やLTV(顧客生涯価値)も考慮しながら,新たな施策を講じるかの決断が必要です。

リテンションレートの計算方法

 リテンションレートを計算するには,まず計測期間を定義します。期間を1年とする場合,以下の3つの数字が必要になります。

●計測期間開始時のユーザー数
●リリースから1年間で獲得したユーザー数
●1年後のユーザー数

(1年後のユーザー数−1年間で獲得したユーザー数)÷開始時のユーザー数×100 = リテンションレート

 上記の数式に数字を当てはめるとアプリのリテンションレートが算出できます。ただ,何をもって良いリテンションレートとするかの定義は,企業や業界ごとに,またそのビジネスの目標によって異なります。例えば,サブスクリプションを重要視するアプリもあれば,アプリ内課金を重要視するアプリもあります。このようにアプリによって定義が異なるため,競合他社のリテンションレートを評価基準にするのも有効な策だと言えます。

 以上,モバイルゲームにおいてリテンションレートが重要視される理由とその算出方法について紹介しました。次回は,そのリテンションレートをいつ計測すべきか,また,リテンションレートを高める6つのポイントについて,プレイアブル広告を活用した成功事例を交えながら紹介します。

片木智也(かたぎ・ともや)
AppLovin日本事業責任者。P&Gジャパン合同会社でデータアナリストとしてサービス導入業務などに従事し,2017年にAppLovinに参画。Business Developmentとして個人から大手まで数々のデベロッパーのビジネス成長に寄与し,2020年11月よりAppLovin日本事業の責任者を務める。

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