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火曜日, 5月 18, 2021

「XROUND AERO Wireless」レビュー! 低遅延でモバイルゲームがはかどる | マイナビニュース

PCやスマートフォンで動画やゲームを楽しむにあたって、視聴環境の快適度を上げる要因のひとつは「ワイヤレス化」です。特にスマートフォン向けBlutoothイヤホンでは、2016年ごろからオーディオブランドをはじめ各社から完全ワイヤレス(左右分離型)モデルが市場投入されており、ここ最近は音質やバッテリー性能も向上してきました。また、小型化が進み、価格もこなれてきて、自分のニーズに合った製品を探す楽しみもあります。

ワイヤレスイヤホンが持つ最大の長所は、小型であることによる取り回しのしやすさと軽快さです。この快適さとトレードオフになっているのが、音が映像から遅れて聞こえる遅延の問題。これについては、低遅延のaptX LL(Low Latency)コーデックによって改善を図るなどさまざまな対策が講じられています。

今回紹介する「AERO Wireless」(以下AERO)は、台湾のオーディオブランドXROUNDの独自開発による低遅延アルゴリズムを採用した完全ワイヤレスイヤホン。動作モードとして「音楽モード」と「ゲームモード」の2種類を用意しており、ゲームモード時には最小で約50msの低遅延通信を行う点が特徴です。

遅延を減らすには先述のaptX LLを用いる手法もひとつの解決法ですが、再生デバイスとイヤホンの両方が同じコーデックに対応していなければ使えないのが弱点。AEROでは、SBCおよびAACという標準的なコーデックにのみ対応しており、両者のデコーディングを最適化することで、低遅延化を実現しているといいます。SBCは、ほとんどすべての現行スマートフォンが採用している標準的なコーデックであるため、心配なく低遅延の恩恵が受けられるでしょう。

主要なスペックとしては、周波数帯域20~20,000Hz、感度103dB、インピーダンスは16Ω、Bluetooth 5.0、通信プロファイルはAVRCP 1.6、HSP 1.2、HFP 1.7、A2DP 1.3.1に対応。6mmチタンドライバーとマイクを内蔵し、IP54相当の防塵防滴性能を備えます。最大通信距離は約10m、重量は左右それぞれ約4.2g。実売価格は1万3000~4000円前後で推移しています。

今回は、本機がうたう最大の特徴「低遅延」に注目して使用感をお伝えします。

左右で個別のタッチ操作に対応

スマートフォンと完全ワイヤレスイヤホンを接続した場合の遅延は、SBCコーデックの場合およそ220ms(±50ms)と言われていますが、AEROのゲームモードではこれを約50msまで短くしています。

XROUNDでは、この低遅延化技術を「XROUND Low Latency」と呼んでおり、チップ構造と低遅延アルゴリズムの組み合わせによってコーデックのデコーディングを最適化し、受信側の処理スピードを向上させているとのこと。同社のブログ記事では、ゲームモードの遅延として54msの実測値をうたっています。

使用感について言及する前に、AEROが搭載するタッチ機能についてご説明しておきましょう。AEROの本体から突き出ている棒状のパーツは表面がタッチパネルになっており、左右のタッチパネルでそれぞれ機能が異なります。右のタッチパネルはモード切り替えで、左はサラウンド機能のON/OFF。いずれもタッチパネルを2秒間ロングタッチすることで切り替えられる仕様です。

また、タッチパネルの上下スワイプ操作には、右にボリューム調整、左に曲送り/曲戻しがそれぞれ割り当てられています。これらの操作はXROUNDデバイス共通アプリの「MyTune」で割り当て内容を変更可能。このタッチパネルはイヤホンを手に持ったときにうっかり触れて意図しない操作をしてしまいがちなので、充電ケースから取り出す際などには、側面を持つようにしましょう。

デバイスとのペアリングは、充電ケース収納時に実行するタイプ。充電ケースのカバーを開けて、中の丸いファンクションボタンを長押しすることでペアリングモードに移行します。

今回試用した限りでは、だいたい半日くらい通して使ったタイミングで充電が必要になる感じでした。使わないとき、充電ケースに収納することを徹底しておけば、肝心なときに電池切れ、という事態にはなりにくいでしょう。

イヤーピースは装着感重視の「Spinfit」と、遮音イヤーピースがサイズ違いで各3組付属。初期状態では遮音イヤーピースのMサイズが装着されています。遮音イヤーピースは硬めで長時間装着していると耳が痛くなりがちなので、家で長時間使う場合はSpinfitに付け替えておくのがおすすめです。

わずかな遅延が差になる対戦シューターで活躍

Bluetoothイヤホンを使う中で遅延が問題になるのは、例えば映像のリップシンクやゲームプレイ時のシビアなタイミング合わせなどが挙げられるでしょう。

では「音楽モード」と「ゲームモード」の聞こえかたや遅延にはどのような違いがあるのでしょうか。結論からいえば、『PUBG MOBILE』で試したところ、遅延についてはかなりはっきりと違いがありました。

『PUBG MOBILE』だけの話ではありませんが、シューター系タイトルは、音の聞こえる方向を正確につかむことが重要です。例えば、銃声や足音の方向や距離をすばやく把握できれば、敵との遭遇を意識して動けますし、そこから建物の中にグレネードを投げ込むのか、あるいは一気に駆け込んで蜂の巣にするのかなどを判断する余地が生まれます。

音の遅延が問題になるのは、敵の姿が見えずに足音だけが聞こえる状態です。足音が聞こえるということは敵が移動しているということで、音が遅延していれば、その分だけ音のする位置と実際の位置にズレが生じています。

数字にすればそのズレが200ミリ秒なのか50ミリ秒なのかという違い。そのズレが小さいほど敵の姿が見えた瞬間の反応は速くできるし、照準を合わせるための操作量も小さくなるはずです。

言ってしまえば、ゲームモードはその微妙な差を埋められるというだけの機能なのですが、その差は、連続的な瞬間の判断が求められる場面で、生死を分ける大きな差にもなり得ます。少なくとも撃ち込める弾の数が1発か2発は増えるでしょう。

もし遅延の差がわかりにくい場合は、どのアプリでもいいので、ボタンをタップしたりカーソルを動かしたりしたときに音がする場面でモードを切り替えてみてください。ゲームモードならば音楽モードのときよりも、画面に動きが出てから音が聞こえてくるまでの時間が一瞬早いはずです。

AEROの場合は、音のする方向もわかりやすく、乗り物の駆動音や銃声がどの方向からしたのか、敵の位置が建物の上階なのか壁越しすぐの位置なのかまでもほぼ正確に表現してくれるので、短期的な動きのプランが立てやすく重宝しました。

先に述べた映像のリップシンクについては、音楽モードでも特に遅れは体感できなかったので、シューターや音ゲーをプレイするときだけゲームモードに切り替える使いかたがよさそうです。

音楽や映像を楽しむ用途においては、筆者の耳では音楽モードとゲームモードを切り替えてもこれといった違いは見い出せませんでしたが、左耳のサラウンド機能を有効にすると、明確に違いが感じられました。サラウンドなので当たり前なのですが、音に立体感が出て、迫力が増します。音の聞こえかたには好みもあるので一概にはいえませんが、筆者としては常時ONでも問題ないように思えました。

Bluetoothトランスミッターと併用して据え置き機でも低遅延プレイ

XROUNDでは、無線オーディオ環境の利便性向上を図るアクセサリとして、USB接続のBluetooth 5.0トランスミッター「XT01」を用意しています。PCやPS4、PS5、Switchなどに接続すると、Bluetooth機器を利用できるようになるので、スマートフォンで使い慣れたヘッドフォンやイヤホンをさまざまなゲーム環境に適用できます。XROUNDはAEROと併用することで総合的な低遅延環境が手に入るとうたっていますが、専用アクセサリというわけではありません。

コーデックは、SBCとAACのほかaptXやaptX LLに対応。対応通信プロファイルはAVRCP 1.6とA2DP 1.3.1。ネイティブではUSB Type-C接続ですがUSB Type-Aの変換アダプタも付属しています。3.5mmピンジャックの外付けマイクを同梱。公称の最大通信距離は約15mです。

ややニッチな位置づけの製品ではありますが、aptX LLに対応したUSB Type-C接続のトランスミッターはそれほど種類があるわけでもないので、選択肢が増えることは歓迎です。

高水準な音質とクセのない汎用性が魅力

AEROは環境に依存しない低遅延性能によってゲーミング用途を推していますが、音質も価格帯相応に高い水準にまとまっており、実際のところ音楽や映像を楽しむ日常的な用途で使い倒すのに向いています。

筆者も試用期間中、ゲームをプレイしていないときはずっとNetflixのアプリを流しっぱなしにしていました。今回はシューターのゲームアプリで試しましたが、低遅延のゲームモードはリズムゲームでも恩恵を受けられるので、その手のゲームアプリをよく遊ぶ人には特におすすめできる製品です。

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