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金曜日, 10月 23, 2020

世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的


 Tencent(テンセント)の2020年第二四半期(4月〜6月)業績報告が公開されたので,いくつかのトピックを抜粋してみよう。

画像(001)世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的

 TikTokと共に,昨今やや世間を騒がせているテンセントは,フィンテック+SNSを代表するかのようなアプリ「WeChat」や「QQ」,ゲーム業界的には「王者栄耀」で有名な会社だ。任天堂の代理店として,中国でNintendo Switchを販売しており,最近力を入れ始めた日本では,「爆走ドリフターズ」iOS / Android),「コード:ドラゴンブラッド」iOS / Android)のサービスをスタートしている。なお,先日記事を掲載したが,「株主」という部分において欧米/日本のゲーム業界に深く浸透していることは,まだあまり知られていない。

※そのグローバル版が日本語になったのが,今年4月16日アップデートを以て、開発元であるTencent Gamesが包括的に行うこととなった「伝説対決 -Arena of Valor-」(iOS / Android)だ

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 最近の日本では,次々とゲーム会社に資本を投下していることで名前が知られつつあるTencent(テンセント)。時価総額68兆円というこの会社は,単なる投資会社ではなく,ピュアなゲーム開発会社……というわけでもない。彼らはいったい,どこに向かっていこうとしているのだろうか。


[2020/07/08 17:05]

 さてそんなテンセントの2020年Q2(第二四半期)の総売り上げだが,1149億元(約1.77兆円)。YoYで+29.3%という相変わらずの弾けっぷりだ。3か月の売り上げが約1.8兆円……。そして例によってテンセントは非米国会計基準なので,シンプルに他社との比較はできないものの,Q2の利益は301.52億元(約4637.4億円)という数字が出ている。こちらもYoYで+28%という大幅増だ。3か月の利益が4637億円……。

画像(002)世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的

※レートはすべて,2020年8月13日の数値で計算しています(1元=15.38円)

 売り上げの内訳は,SNSやフィンテック,広告などいくつかの部門に分けられているが,ここは4Gamerなのでゲームに注目してみよう。

・ゲーム全体売上 469億元(約7213.2億円) YoY+38.3%
 内スマホゲーム 360億元(約5536.8億円) YoY+62%
 内PCゲーム 109億元(約1676.4億円) YoY ー7%

となっている。ゲーム全体の売り上げがYoY+38%という時点で「なんだそれは」と思ったが,スマホゲームに限ると,なんとYoY+62%。冒頭の数字と見比べると分かるが,実はTencentという巨大企業の全売り上げの約41%を,ゲームの売り上げが占めるのだ。

画像(004)世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的 画像(005)世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的
画像(006)世間を賑わせるテンセントの2020年第二四半期は,1.8兆円の売り上げで4640億円の利益。米国の制裁措置の影響は非常に限定的

 ちなみにこのYoY+62%のスマホゲーム売り上げだが,1Qの時点でも347.6億元(約5345.5億円),YoY+64%という数値が出ている。つまり,何か一発ラッキーパンチがあたったからこの伸びになったわけではなく,順当に成長しているということだ。これは質疑応答でも言及されており,

8月12日にリリース予定だった「地下城与勇士」(アラド戦記モバイル)による下半期のゲーム売り上げに対する影響についてですが,ここで強調しておきたいのは,ゲーム事業の成長はいつも多くのタイトルによる貢献であるということです。もちろん早くローンチしたい気持ちはありますが,当社の売り上げの成長は,絶対に一つのタイトルに頼りません。今年の下半期は,リリース済のタイトルに新しいコンテンツを追加したり,多くの新タイトルをリリースする予定もあります。

 なおSensor Towerのデータによれば,第一四半期の世界のスマホゲーム市場は175億ドル(約1.9兆円)でYoY+16%。世界のスマホゲーム市場が前年比16%という伸びの中で,軽く3倍の伸び率を記録しているというわけだ。ちなみに,中国ゲーム産業上半期報告によると,中国スマホゲーム市場は1046.7億元(約1.6兆円)で,YoY+35.81%。ということは,ただの数字遊びにしか過ぎないが,1.6兆円規模の中国スマホゲーム市場の65%ほどは,テンセント1社で稼ぎ出されているということになる。
 いよいよ本腰を入れて日本攻略に乗り込んできそうなテンセントの動きは,今後も注目しておくべきだろう。

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 中国のゲームショウChinaJoy 2020に合わせて,中国ゲーム産業の2020年上半期の数字が発表された。高い成長率を落とすことなく躍進を続ける中国市場の数字を,その概要の紹介を通して確認していこう。


[2020/08/14 16:21]

 最後に,質疑応答になかなか興味深い内容があったのでそれも記しておこう。

米国在住者を対象としたWechatとの取引禁令の件についてですが,Tencentにおけるアメリカ市場の売り上げは,ワールドワイドの中で2%にも達していません。アメリカからの広告収入についても,全体の広告収入の1%にすらなっていませんし,禁止されたことによってアメリカ国内での取引には影響が出ますが,そのほかの影響はありません。

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