莇平集落とは

莇平と書いて「あざみひら」と読みます。「すけべえ」ではありません。

アザミの豊かな自生地と思いきやアザミの植物は何処にも見当たらない。部落の背後にある山を曽我峯(そがみね・標高342m)と呼び、蘇我氏を逃れた藤原氏の残党が居を構えた所と云われています。都への望郷の念絶ちがたい藤原氏は、土地の名に朝廷から賜った「藤」の字を簡略化した「莇」と、急傾斜地を表す「平」の字(※1)を用いたそう。

22世帯62人(※2)の小さな集落ですが、18世帯は名字が高橋さんなので屋号で呼び合います。ちなみに村の一番上の家は屋号が「村上」さんなので、「高橋」さんなんですが「村上」さんでもあるという方もいます。

莇平といえば子牛のモグタンの話は教科書に載るほど。書籍(※3)も何冊も出てるので要チェックです。

莇平集落の位置する松代地区は世界有数の豪雪地帯です。しかし、莇平集落全体が南に面しているので松代のスイスと呼ばれるほど雪解けが早いです。

そして、この地域は日本一の名声を誇る魚沼コシヒカリの産地。十日町地域は、信濃川が形成した肥沃な土地と、コシヒカリを育てるのに欠かせない気候風土とが一体となり、おいしいお米を作り出しています。平野部と違うところは、土壌に含まれる主要成分(窒素)量が少ないため、稲が倒れにくく、同じ面積で収穫される生産量が少ないこと。また米が熟す期間の最高気温と最低気温の差が大きいことなど、立地条件・気候的に恵まれた地域です(※4)

春の山菜、緑の濃い夏、秋のキノコや新米、雪深い冬、一年中自然の魅力がたっぷりの莇平集落です。

© Yuji Takeuchi

(※1) 「万葉集に依れば、、、」と昭和63年のまつだい町部落紹介(莇平担当新玉屋高橋吉治さん)に記載。部落には随所に平の地名がある。半の木平、真中平、真荻平、三枚平、裏側には貉平もある。集落の方たちと山菜採りに行くと、「その平(ひら)にゼンマイがあるから。」って言ったりするので、平(たいら)って解釈より、面って解釈のような気もする。
(※2) 2012年7月現在
(※3) 日本教育新聞社『クラスメートは子牛たち』/偕成社『さようなら!子牛のモグタン』/ポプラ社『子牛のモグタンは新入生』
(※4) JA十日町ウェブサイト(http://www.ja-tokamachi.or.jp/)より引用